「手当て」と化粧

今日はエステに行ってきました。

優雅!?…そうでもありません。

 

昨日、郵便局へ入っていったところ、きれいな女性に「ハンドマッサージを受けませんか?」と声をかけられました。

 

私の手はへバーデン結節で変形しているので、なるべく人の目にふれないようにしています。ですから、最初はお断りしましたが、6月に放映されたNHKガッテン!」でタッチケアの効果について説明していたことを思い出し、やっていただくことにしました。

 

その番組をご覧になった方も多いと思いますが、痛みのあるところをさすってもらうと癒しホルモンのオキシトシンが分泌されてずいぶん楽になるそうです。痛みだけでなく、認知症の症状やストレスにまで効果があるということです。

 

ちなみに、三重大学の皮膚科の教授をしていらっしゃった方に伺ったのですが、へバーデン結節はその遺伝子をもっている人の80%、遺伝子をもっていない人の20%が発症するという研究結果が出ているそうです。

母が同じ指をしているので、私は遺伝子をもっていると思います。

 

話をタッチケアに戻します。私は若いころから「手当て」の効果を信じていました。体の痛いところに手を当てて気を通せば楽になることを何度も経験しています。最近の例で言えば、膝をしたたかコンクリートの床に打ち付けた時もさすり続けたところ、痛みが引いていき青くならずに済みました。

 

腰が痛いという同僚の腰や背中に手を当てていたら楽になったと感謝されたこともあります。我が子だけでなく、担任をしていた子供たちにも痛いと訴えてくれば手を当てていました。でも、本心を言えば、「痛みがなくなった。」と言われるたびに、自分の体ならともかく、本当に私は人に対して気を通せるのだろうかと半信半疑でした。

 

けれど、「ガッテン!」でオキシトシンの存在を知り、疑問が解けました。イエス・キリストもしていたという「手当て」の効果が科学的に証明されているのでした。

 

そんな訳でハンドマッサージを受けたのですが、とても心地よかったので、ついデコルテとフェイスのマッサージもお願いして帰ってきました。お試しなので半額近い金額で受けられるということが大きな理由でした。はじめに「優雅でもない。」と書いたのはそのことです。本当に優雅な人は、お試し・半額に飛びつきませんものね。

 

翌日、つまり今日ですが、早速サロンへ出かけました。美容部員さんの巧みな手の動きと蒸しタオルの温かさが、顔やデコルテのコリを取ってくれました。1時間半の癒しの時間でした。

 

それにしても静かに流れる音楽、快適に保たれた室温、顔に絶え間なくかかる温かい蒸気など計算された心地よさが提供されているにしても、やはり何といっても美容部員さんの手が直接当てられて顔の筋肉やリンパに沿ってマッサージしてもらえる心地よさが一番でした。

 

ラカンの今となっては1回のお手入れで「顔が上がった!」と感動することはもうなくなりましたが、今回のお手入れも現状維持に貢献してくれたことは間違いないでしょう。

 

以前は高額の契約をさせるという非難を受けることが多かったエステですが、大手化粧品会社系列のそのエステサロンは、ベーシックならそれほど高いとは思いませんでした。もっとも今の私の収入には合わないので通い続けることはできませんが。

 

でも、思います。もっと歳を取って周りのこと、自分のことがわからなくなっても温かい手で顔のマッサージをしてもらったら、生き生きと過ごしていた頃をふっと懐かしく思い出すのではないかと。

 

そんなことを思うと、私も誰かの体や顔に手を当てて、痛みが取れたとか、温かくていい気持ちになったと感じてもらいたいと思いました。